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ALS(筋委縮性側索硬化症)を支える輪~ 第11回ALS自立支援東葛ネットワーク会議・神経難病研究会を開催

気持ちの良い秋晴れとなった11月3日、鎌ケ谷総合病院でALS自立支援東葛ネットワーク会議・神経難病研究会が開催された。

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↑開会挨拶は湯浅龍彦先生(鎌ケ谷総合病院神経内科/千葉神経難病医療センター長)

 

脳や末梢神経からの命令を筋肉に伝える運動ニューロンという組織が侵されることで、理解力、判断力、決断力などの意識はそのままに、手足、のど、舌の筋肉や、呼吸に必要な筋肉が徐々に痩せて動かなくなり、やがて会話や食事、呼吸ができなくなるALS(筋萎縮性側索硬化症)。

同会はこの難病を多方面から研究するとともに、最新の情報を広く発信する事を目的としている。回を増すごとに参加者と賛同者が増え続け、現在は分野を超えたネットワークとなり、ALSと共に生きる患者さんや、患者さんとを支える医療・福祉関係者の大きな輪になりつつある。

11回目の開催となる今回は「生きる、そして支える」「リハビリテーション」「新薬」の3つを主題に据え、行政、大学教授、患者さん、医療・福祉関係者、住宅メーカー、医療機器メーカー、ソフト開発者といった多様な演者が一同に会し、ALSに代表される神経難病のサポート体制や、最新の治療に関する報告や討論が行われた。

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↑宮野佐年先生(総合東京病院リハビリテーション科、東京慈恵会医科大学客員教授)にはリハビリテーションの歴史とこれからについてご講演頂きました。

 

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↑ALS治療薬研究の中心となった阿部康二教授(岡山大学大学院医歯薬学総合研究所脳神経内科学)にもご登壇頂き、ALS進行抑制のメカニズムと現状についてをご講演頂きました。

 

 

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↑ドイツ文学者として高名な橋本孝 宇都宮大学名誉教授にはドイツの医療と福祉の街ベーテルとその組織形態について講演。日本の将来を支える仕組みを示して頂きました。

 

本会の代表を務める湯浅龍彦 鎌ケ谷総合病院 神経難病医療センター長は「我々医療者や研究者、行政が患者さんをどう支えるか。そして、患者さんが自分自身を支えるためにどうすべきかを、ここに集った方々が、それぞれの立場を超えて考える事が重要。本会が、ご参加頂いた皆さんの記憶に残り、次へと繋がる有意義なものになれば」と語る。

 

平成25年の特定疾患医療受給者数によると、国内のALS患者数は約9200名で、1年間で新たに発症する人は人口10万人当たりで約1~2.5人とされている。がんや心臓病などのメジャーな疾患と比べるとその数は圧倒的に少ない。当然ALSを専門に扱う医師や研究者、医療機関の数もそれに準ずる。

また、昨今の療養型病床の削減もあり、外来診療から入院まで一貫したALS治療を提供可能な医療機関はごく僅かだ。多くのALS患者さんは在宅での療養を選択するしかない。鎌ケ谷総合病院もALSを専門に扱う部門を有してはいるが、救急患者さんの受入れを主とする救急病院の性質上、ALS患者さんに十分な医療、看護を提供するためのスタッフや入院ベッドの確保が困難で、歯痒い状況に置かれている。

 

そんな中、今年6月にALS治療の歴史に残る大ニュースがひっそりと、しかし熱狂をもって報道された。脳梗塞の急性期で使われる脳保護薬が、ALSにおける機能障害の進行抑制の効能・効果を認められ、適応拡大が承認されたのだ!今から140年以上前に発見されてから今日に至るまで、世界中の患者さんが、家族が、医師が、研究者が戦い続けたALSに対して、日本発の薬がその効果を証明したことになる。この流れが大きなうねりとなり、ALS治療の現場に立ち込める閉塞感を打ち払う事を祈るばかりだ。

 

 

鎌ケ谷総合病院 広報

住所:千葉県鎌ケ谷市初富929-6

電話:047-498-8111(病院代表)

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